小牧サーベイの報告(3)


上街道(木曽街道)ぞうにある岸田家。
この建物の東隣(奥)には尾張徳川家の小牧御殿(陣屋と代官所)がありました。
目の前を走る道路はかつての上街道(木曽街道)です。


岸田家は小牧市の指定有形民俗文化財に指定されています。19世紀初頭の建築と考えられています。
江戸時代には母屋として利用されていた他、小牧宿の脇本陣の役割も果たしていました。


岸田家の「屋根神様」。瓦屋根に載ったまま残されています。


土台は石のままです。


蟹清水砦跡(かにしみずとりであと)は、1584年(天正12年)の小牧・長久手の戦いの際、徳川家康方が築いたとされる砦の跡です。
この地にはかつて丹羽長秀が建てたとされる屋敷がありました。その屋敷を修復し砦としたそうです。「蟹清水」の由来はこの地に清水があり、蟹がいたからではないかと考えられています。江戸時代には小牧御殿の一部となり、昭和20年代までは堀跡や土塁跡が残っていましたが、現在は遺構や清水も残っていません。


祠のあるこの場所には小牧御殿が建てられた当時から槇の木(イヌマキ)がありましたが、1950年(昭和25年)9月の台風で倒壊してしまいました。それを嘆いた徳川義親が翌年この場所に2本の槇の木を植えました。
その後、義直の遺業を偲び1958年(昭和33年)近隣住民により祠が建立されたそうです。

(富田)